CROWNⅡ lesson9
クラウンⅡ lesson9
Why Symmetry? ─なぜシンメトリー?─
虎よ、虎よ。ぬばたまの夜の森に燦爛と燃え。
そも、いかなる不死の手、はたは眼の作りしや、
汝がゆゆしき均斉を。
もしかしたら他の惑星にも生物は存在するかもしれない。ジュンの学校の科学部では、他の惑星の生物は、もしいたらどんな姿をしているか話し合ってきた。手や足や顔はあるだろうか。ジュンは調べることにした。彼は次のようなことを知った。
①
宇宙には何十億もの銀河があり、それぞれの銀河に何十億もの星があるので、宇宙のどこかに生物が存在するかもしれない。けれどもこの太陽系にさえ、他に生物が存在するのかどうか本当は誰もよく知らない。火星に生物が存在するかどうかさえ知らない。もし他の惑星で生物の形をしたものが進化していたとしたら、彼らは私たちが知っているような生物と共通するいくつかの特徴を持っているだろうか。
確かなことは分からないが、少なくとも推測することはできる。地球では、生物は球対称から始まり、その後、二つの方向に進んだ。円錐対称を持つ植物世界と左右対称を持つ動物世界にである。どんな惑星でも生物は似たようなパターンをたどるだろうと考えるもっともな理由がある。海に浮かぶ原始的な単細胞生物は当然ながら球形を呈するだろう。しかしひとたび海底か陸地に落ち着くと上下の違いが生じる。植物の根端は頂端とは明らかに違う。けれども、海中や大気中には前後や左右の違いを生じさせるものは何もない。植物の形がたいてい円錐対称を持つのはこの理由からである。
②
動物の形はどうだろうか?イソギンチャクを考えて欲しい。彼らは何かにくっついていて、自力で動き回ることはできない。彼らは通常、円錐対称を持っている。クラゲのようなゆっくり動く動物も円錐対称を持っている。これらの動物は海中を漂うか海底にいるかしており、えさも危険も全方角から等しく向かってくる。だがある種がすばやく動き回る能力を得るとすぐに、その動物には前後の違いが生じてくる。海中では、すばやく動き回る能力を持った動物はえさを探す際に非常に有利である。魚は後ろではなく前に口を持っている方が効率がいい。目も口に近い先端にあった方が効率がいい。もし目が後ろについていたら、魚は自分がどっちに進んでいるか分からないだろう。ようするに、進化の過程で水中を泳ぐことが結果的に動物の前後の違いを生じさせたのである。
③
同時に、重力は動物の上下の違いも引き起こしていた。左右はどうだろうか?海中では右と左の違いを重要にするものが何もないことにすぐ気付くだろう。魚は前後の違いに遭遇する。一方は進む方向で、もう一方は来た方向だからである。魚はまた上下の違いにも遭遇する。上へと泳げば海面に達し、下へと泳げば海底に達する。しかし左右のいずれかに方向転換してどんな違いに遭遇するだろうか?何の違いにも遭遇しない。左に曲がれば海があるだろが、それは右に曲がった場合とまったく同じような海である。水平に下方向にのみ作用する重力のような力は存在しない。ひれや目といったパーツが左右で等しく発達する傾向があるのはこうした理由からである。
④
生物の形についてさらに踏み込んで推測することは可能だろうか?もし他の惑星に動物がいたら、彼らは地球の動物と何か共通点があるだろうか?答えはイエスである。魚は他の惑星の未知なる海で泳ぐなら尾ひれを使って動き回るだろう。鳥は他の惑星の大気中を飛ぶなら羽を使って移動するだろう。地上で、動物は足を使って動き回るだろう。これより簡単な方法があるだろうか?車輪を思い浮かべるかもしれないが、車輪が進化するのは難しいだろう。
もし他の惑星の生物が地球の人間が持つような知能を進化させたら、少なくともいくつか人間に似た特徴を持つだろう。目、耳、鼻が顔らしきものを形成するもっともな理由がある。指が腕の先端にあると明らかに有利である。保護のため、脳は硬いケースに入っていて、できるだけ地面から離れている必要がある。
他の惑星の海や陸、空で奇妙な姿をした生物が暮らしている可能性がある。けれども、私たちが動物だと分からないほど奇妙だということはなさそうである。それはひとえに彼らの体が左右対称を持っているからである。/
