UNICORNⅡ lesson5
ユニコンⅡ lesson5
A Tour of The Brain ─脳ツアー─
①
男性と女性の脳は違う。けれども新しい研究はどちらが何が得意かについての古い通念を変える。男性と女性の適性の違いに関する最新の科学は何だろうか?男性の方が女性より科学と数学が得意というのは本当だろうか?生活環境や動機付け、機会の方が性別より重要だと考えている科学者が多い現在にそんな質問をするのはばかげているだろうか?
新しい医学の技術のおかげで、今では研究者は脳が働き成長するところを撮影することができる。この話題で有名な研究者であるサンドラ・ウィッテルソンは言う。「近年、男性と女性の脳の違いを発見してきた研究の数が増えてきています。とても興奮します。」
こうした違いの多くは私たちの行動を変えないようであるということが分かっている。他に私たちが思いもよらなかった方法で変えるものもある。
男性と女性の脳にどんな違いを発見しようとも、ほとんどの科学者はさまざまな研究分野の成果だけでなく、生物学的要因や社会的条件も人間の行動において役割を果たしているということについて意見が一致している。
②
ほとんどの研究は男性の脳のほうが女性の脳より約10パーセント大きいということで一致している。しかしかつて考えられてはそう考えられていたが、大きさで知能を予測することはできない。男性も女性も知能テストでは同様に成し遂げた。
けれども彼らの脳の働き方には違いがあることが分かる。男性と女性が数学の問題を解くことや本を読むことといったような課題を与えられると、女性はその課題を仕上げるために脳のいろいろな部分を一緒に使う傾向がある。一方、男性は課題に応じて脳の一つの領域だけを使う、あるいは一つの領域を集中して使う傾向がある。男性と女性が怒りや悲しみを経験するときもこれと同じパターンが起こる。
その上、男性と女性の脳の発達の仕方にも違いが見られる。脳のほとんどの領域において女子のほうが早く成熟する。特に言葉を話す、文字を書く、顔を見分ける領域は女子のほうが数年早く成熟する。特定の領域では男子のほうが早く成熟する。特に機械的思考、視覚的対象物の捕捉、空間的思考は男子のほうが4~8年早く成熟する。
しかししばらくして脳が完全に発達すると、男女間の適性の違いはそこまで違わなくなる。試験した時期によるのである。
③
けれどもなお答えるべきいくつかの疑問がある。たとえば、平均して男子と男性のほうが頭の中で三次元の物体を回転させるのが得意なのはなぜだろうか?女子と女性に関して言えば、なぜ彼らのほうが言葉遣いや社交術がうまい傾向があるのだろうか?もっとも驚くべき違いは脳の外側かもしれない。
「もし男性と女性に同じ風景を見させたら、彼らはまったく違うものを見ています。」内科医で精神分析医であるレナード・サックスは言う。「女性は男性が見ることのできない色や質感を見ることができます。女性は男性が聞くことのできない音を聞くことができ、男性が感じることのできない匂いを感じることができます。」目、耳、鼻は、脳につながる出入り口であるが、誕生時からずっと脳の発達に影響を与える。しかしだからといって女性のほうが男性より知覚が優れているわけではないとサックスは言う。人間は現実の度合いにおいて多様性を持っていることを意味し、人間が生き延びる可能性を高めている。「女性はある植物の色や質感を覚え、もしそれが毒を持っていたら人々に警告することができる。男性はその辺で動いているものにより注意を怠らないのです。」彼は言う。「どちらがいいか?両方必要です。」
④
1990年代の初め、サックスはADHDを患っている男子を評価し、確かに彼らは学校で注意が散漫であることを知った。しかし脳の違いを研究すればするほど、問題は学校にあるとますます確信するようになった。解決法が簡単なこともあった。彼は耳が女子ほどよくない男子を前列の席に移動させた。他に解決法がもっと難しいこともあった。
「以前は私は男女別の学校は時代遅れだと考えていました。」彼は言う。しかし、男子と女子をあたかも脳が同時に成熟するかのようにして教える男女共学は効果があるというよりむしろ害になると結論を下した。「子供たちに年齢や性別にふさわしくないことをするよう頼むといつでも彼らはその課題を失敗するか嫌いになるかするでしょう。」彼は言う。「12歳になるまでに、科学が嫌いな女子と読書が嫌いな男子が出てくるでしょう。もし性差を考慮することが有効だと分かれば、それを実行する方法は確かにたくさんあるでしょう。」
人々が性差が何であるのか理解し、得意分野に従って行動し、苦手な点に気付いていればずっといいでしょう。」サンドラ・ウィッテルソンは言う。
⑤
研究が示してきたように、機械的思考に使われる脳の領域は男子のほうが早く成熟するように思われる。それゆえ、一般的に言えば、若い女子はより若いときは科学や数学を学ぶのに不利かもしれない。
しかし、刺激され励まされる時はいつでも若い女性もかなり科学が得意になる証拠はたくさんある。現在、アイスランドとスウェーデンでは、女子のほうが男子より数学と科学が成績がよい。スウェーデンでは、北部の地域でその差は一番大きい。「女性ははるか南の大都市に行きたがるが、そこでは技術職に就くために競争しなければならないからかもしれません。」デンマーク人の教授は言う。「男性は地元の狩猟や漁、林業の機会に集中します。」
8年生の女子が男子より数学の成績がよく、男子のほうが成績がよかったのはわずか3カ国しかなかったという調査をどう説明できるだろうか?答えを見つけるのは難しいだろうが、あるアイルランド人の先生が言うように「性別間で違いはあるかもしれないが、断然最も重要なことは適性ではなく動機付けです。」それはまた期待、励まし、そしてなにより個人の努力に関するものかもしれない。/
